2007大阪支部予選 大会リポート
6月17日 高知県東洋町・生見ラウンド 
開催クラス:シニア・マスター・グランドマスター・ウィメン
この日も朝5時にスタッフは集合、小雨まじりの悪天候、波はセットでなんとかヒザ〜モモ、たまに腰位の形のいい波も入っては来ているが波数は少ない、
協議の結果この日もヒート時間を15分、マキシマムウェーブ8本の設定で、波の状況を見ながら進行する事に決定。
ヒート時間15分、マキシマムウェーブ8本、ベスト2ウェーブ集計






シニアクラス U-34 エントリー数:80名(3級シード42名、2級シード10名)
第1予選7ヒート→第2予選14ヒート→第3予選10ヒート→準々決勝5ヒート→準決勝2ヒート→決勝4名
1位:前田 芳和、2位:谷口 徳章、3位:今西 貴俊、4位:塩崎 貴己

まずシニアクラスからのスタート、このクラスは大阪支部の中では毎年エントリー数が一番多く、技術的にも精神的にも脂の乗りきった年代のクラスで、スモールコンディションながらいいセットを見つけては確実にテイクオフ、スピードにのせて激しくアクション、サスガと思わせてくれる選手達のライディングでヒートは盛り上がった。
まず、第1予選の第5ヒートBポイントで行われた朝一のヒートにクレジットされた千代幸和がグーフィーフッター特有の華麗なキレのあるターンでスピードに乗せフィニッシュまできれいにまとめ、1本目のライディングでいきなり7.0ptを叩き出し、ノーシード第1予選の幕を開けた。そして、3級シードが加わっての第2予選へ進んでいく、潮が引き潮に向かい南西のサイドオフショアーで決して良いとは言えないコンディションの中、セットの波をしっかりキャッチしてその千代と谷口徳章、渡辺典寛、松田行次、前田修孝、末政俊介、飯山洋介、といったあたりが高ポイントをマークして2級シード選手の待ち受ける第3予選へと進んだ。

潮がさらに引いてイクミ海岸の左側に設置されたAポイントの波はさらに厳しい状況、各選手なんとかベスト2を確保しようと集中力を高める、過去に全日本選手権大会の入賞経験を持つ芝野雅之もこのコンディションに苦しめられたが、確実にポイントを確保して次の準々決勝へ勝ちあがった。
そして、少しの間ウェイティングを挟みジャッジ・運営協議が行われ、夕方の満ち潮に向かってコンディションが良くなる期待を胸に準々決勝はAポイントでのみ試合続行、芝野、千代、谷口、に加え青山弘嗣、前田芳和、らが巧みなウェーブセレクトで準決勝へ勝ち進んだ。
そして、準決勝第1ヒート、波のコンディションはあい変らずの状況だが谷口は確実にフェイスをメイクして1位通過、塩崎貴巳はヒート終盤ギリギリにええ波をキャッチ、逆転で2位に浮上、そのまま決勝へ駒を進めた。波に見放された芝野はここで敗退となった。
準決勝第2ヒート、今年からシニアクラスに上がった新人で、’04、’05のメンクラス連続チャンピオンの前田芳和が確実なセレクトで1位通過、予選からヒートを盛り上げてくれた千代は0.15ptの僅差で3位となりここで敗退、今西貴俊が2位で嬉しいファイナル進出を決めた。この結果2007年度シニアクラスのファイナルは谷口、塩崎、前田、今西、この4人の戦いとなった。

そして、決勝は夕方の満ちこみ5:15、軽い北東のサイドオンショアーで面は少し荒れているが、綺麗にシェイプされたセットがたまに入ってきている状況の中、15分マキシマム8本ベスト2集計でスタートのホーンが鳴った。
各選手セットの波を狙っているのか誰もテイクオフしないまま5分が経過、セットがなかなか入ってこない状況にしびれを切らせたように今西がインサイドに移動、次々とテイクオフを試みる、3本目のライディングでスピードにのせ3.5ptをゲット、その直後、セットが入りだした。まず、レギュラーフッターの前田がバックハンドで大きなターンとスムーズなレールワークでインサイドのローラーコースターも綺麗にまとめ5.0ptをゲット、続いてグーフィーフッター谷口もバックハンドでインサイドまで確実にメイク4.0ptをマーク、塩崎も形のいい波をキャッチするが、これは惜しくもワイプアウト、今西はあい変らずのインサイド攻撃で形のいい波をバックハンドで攻めるが2.9pt、塩崎も今度はインサイドまでスピードに乗せてリップも決まるが2.85pt、残り時間は5分を切った、前田と今西がベスト2合計6.4ptでトップを争っているその時、谷口がミドルセクションからインサイドまで確実なライディングで2.7ptをゲット、ベスト2合計6.7ptでわずかながら2人を逆転、そして、残り時間は1分を切った時、谷口がバックハンドでリズムよくインサイドまで無難に乗り継ぐ、ダメ押しか?とも思われたがポイントは2.25ptでベスト2合計は6.7ptのまま変わらず、そしてヒート終了間際、前田がインサイドの波でキレた動きを魅せて1.9ptをもぎ取りベスト2合計6.9ptとし再逆転。そして、終了のホーンが鳴った。優勝は前田、惜しくも谷口は準優勝、3位にインサイドに賭けた今西、4位に塩崎という結果となった。




今年からシニアクラスに上がった新人?の前田芳和が
巧みなウェーブセレクトで見事優勝!
アグレッシブに攻めた3位:今西貴俊 華麗にまとめた4位:塩崎貴己 惜しくも準決勝で敗退の芝野雅之

スタイリッシュなグーフィーフッター谷口徳章は惜しくも2位


マスタークラス U-40 エントリー数:26名(シード選手7名)
第1予選4ヒート→準々決勝4ヒート→準決勝2ヒート→決勝4名
1位:中田 光広、2位:島末 貴司、3位:星野 厚、4位:野村 春彦

一昔前は大阪のサーファーが全日本でも数多く活躍していた時代があった、次々とプロサーファーも輩出していた。云わば最後のテイクオフ世代と呼ばれる年代、その当時のヤングキッズたちが時と経験を経て今このクラスで熱戦を繰り広げてくれた。
決勝に残ったメンバーはまず、準決勝第1ヒートの最後の波で6.75ptを叩き出し大逆転、ギリギリで勝ちあがった島末貴司、準々決勝からキレのいいレールワークと深いボトムターン&素早いリップなどで7.0ptをマークするなど安定したライディングで決勝まで勝ち上がった星野厚、そして激戦の準決勝第2ヒートからは抜群のボードコントロールと軽快なフットワークでヒート後半に大逆転の野村春彦が1位通過、そして、確実なウェーブセレクトとリズムのいいターンからパンチの効いたリップを披露してくれた中田光広が予選から他を圧倒するほどの連続高速リッピングを魅せつけていた吉留武司と昨年のマスターチャンピオンでこのヒートも前半は調子よくターン&リップを披露していた松村達也を抑え2位通過で決勝へ駒を進めた。

島末貴司、星野厚、野村春彦、中田光広、この4人でマスタークラス決勝がスタートした。オープニングウェーブでまず、中田がバックハンドで軽いターンからリップにチャージ、ショートライディングながら攻めのサーフィンを魅せて3.75ptをマーク、さらに、ミドルセクションからインサイドまで上手くまとめ3.0ptをゲット、島末も形のいいレフトの波をキャッチするがイマイチ波が続かずフェイスダウン1.5pt、星野も軽いターンとスピードに乗ったリップで攻めるが惜しくもワイプアウト1.35pt、ヒート中盤にはいり中田がフロントのいい波をキャッチ、キレのいいスムーズなターンとリッピングでアピール4.5ptをマークしてベスト2合計8.25ptとした。星野もバックハンドリップでインサイドまで果敢に攻めるが3.0pt、島末もフロントのいい波をキャッチ、ミドルセクションからスピードつけてリップするが2.55pt、野村はアウトでじっくりセットを待って一発逆転を狙っているが、無常にも時間は過ぎていく、残り時間1分を切ったところで島末がレギュラーの形のいい波をキャッチ、スピードにのせてリップでアピール、逆転なるか?と思われたが4.75ptどまりでベスト2合計7.3pt、中田を逆転することは出来なかった。結局このままヒート終了。中田光広がマスターチャンピオンとなった。2位に島末、3位に星野、海の神様に見放された野村は4位となった。

しかし、このクラスはサーフィンの技術、技の質、安定性すべてにおいてレベルの高い選手が多かった。毎日サーフィン出来ない大阪のサーファーが上手くなるには、長年の経験と努力、そして、なにより”あきらめない精神”が必要なのだと感じさせてくれたマスタークラス。先週行われた若手クラスの選手達にもこのサーフィンを魅せてあげたいと思ったのは私だけだろうか?


確実に進化している島末貴司は惜しくも準優勝

バックサイドでアグレッシブに攻めた3位入賞の星野厚

海の神様に見放された野村

遂に支部予選優勝を手にしたチュウ太:中田光広
安定した試合運びでスプレーを飛ばしまくっていた。


グランドマスタークラス O-40 エントリー数:21名(シード選手6名)
第1予選3ヒート→準々決勝3ヒート→準決勝2ヒート→決勝4名
1位:小谷 和宏、2位:阪田 衆一、3位:大西 明弘、4位:岩崎 義明

このGマスタークラス、決勝に駒を進めたのはまず、準決勝第1ヒートから、昨年秋の大阪級別でAクラス準優勝という偉業をやってのけ、久しぶりにコンペ魂に火がついてしまった阪田衆一が1位通過、そして、昨年のGマスターチャンピオン小谷和宏が昨年3位の南出繁郎を0.25ptの僅差で抑え2位通過でかろうじて決勝へ進出、第2ヒートからは’05は準優勝、昨年は4位、今年こそ優勝を目指す大西明弘が安定した試合運びで1位通過、元Gマスターチャンピオン瀧野岳に0.45ptの僅差で競り勝った岩崎義明が2位通過、初の決勝進出を手にした。この結果、’07年度Gマスターファイナルは阪田衆一、小谷和宏、大西明弘、岩崎義明、というGマスターの中では若手?の4人の戦いとなった。

そして、ファイナルがスタート、開始早々から大西がたて続けに形のいい波をキャッチ、2本目のバックサイドのライディングでインサイドのスープセクションまで丁寧にまとめ2.25pt、3本目のレギュラーの波ではスムーズなターンから要所でリップをまじえGマスターとは思えない軽快なライディングを披露、3.5ptをマーク、残り時間10分を切ったあたりで阪田がライトのいい波にテイクオフ、バックハンドで攻めるサーフィンを魅せて3.75pt、岩崎も攻めのサーフィンを魅せたいところだが、波がイマイチで1.9pt、ヒート中盤を過ぎ残り時間6分、沈黙を破って小谷がセットの波にテイクオフ、ファーストセクションで目の覚める一発!そのままスピードにのせターン&リップでインサイドまで完璧にメイクして魅せ7.0ptの高ポイントをマーク、リズムに乗った小谷はすぐさまミドルの波をキャッチ、カービングターンでインサイドまで確実にまとめ3.5pt、あっと言う間にベスト2合計10.5ptでトップに躍り出た。
追いかける大西もミドルセクションからリップで攻めるが波が続かずポイントが伸びない、残り5分を切ったところで、阪田が形のいい波にテイクオフ、バックハンドでえぐるような深いターンから激しくリップを狙うがフェイスダウン3.5ptどまり、この地点で阪田のベスト2合計は7.25pt、大西は5.75pt、小谷を逆転するにはセットの波を確実にメイクするしかない、終了間際、大西がフロントの波でローラーコースターまで確実にまとめるが、ポイントは伸びず2.75pt、その直後、阪田にもレフトの形のいい波が入った。最後のチャンス、阪田はインサイドまで激しいリップで攻めたが4.0pt、合計7.75ptで万事休す、終了のホーンが鳴り、小谷がGマスター2連覇を飾った。阪田が2位、大西が3位、岩崎が4位、という結果となった。

このヒート、とてもGマスターとは思えない軽快なライディングの応酬でとても見ごたえがあった。特に小谷の7.0ptライディングは今までのGマスターのレベルをはるかに超えていたように感じた。もし、支部予選でもベストライディング賞があったとしたら、この日は間違いなく小谷が獲得していただろう。おめでとう!
サーフィンのセンスは抜群2位:阪田衆一 インサイドまで確実にまとめる3位:大西明弘 嬉しいうれしい初入賞、4位:岩崎義明

決勝では乗りにノリまくっていた小谷和宏
確実な試合運びで見事優勝!


ウィメンクラス O-18 エントリー数:15名(シード選手4名)
準々決勝3ヒート→準決勝2ヒート→決勝4名
1位:田村 幸子、2位:岡野 尚子、3位:辻尾 友香里、4位:松尾 静子

準決勝第1ヒート、2級シードで昨年のウィメンチャンピオン田村幸子がキレのあるリップを披露、ベスト2合計12.0pt、貫禄を感じさせるライディングで決勝進出を決めた。そして、予選では力強いマニューバーと2発のリッピングで6.0ptをたたき出しジャッジ委員長を驚かせた新星・辻尾友香里が昨年秋の大阪級別で3位入賞の実績を持つ島真美に1.0pt差で競り勝ち2位通過を果たしファイナルへ駒を進めた。第2ヒートでは大阪級別で優勝した岡野尚子がシード選手らしく安定した試合運びで1位通過、しかし、もう一人のシード選手、大阪級別準優勝の岡田史江はいい波に恵まれず敗退、混戦の2位争いをギリギリで松尾静子が勝ちあがった。この結果、ファイナルは田村幸子、辻尾友香里、岡野尚子、松尾静子、の4人の戦いとなった。
そしてファイナル、ヒート開始早々、田村がバックハンドでパンチの効いた一発を披露、いきなり4.5pt、負けじと岡野もセットの波をキャッチ、インサイドまで軽快にまとめアプローチも成功3.5ptをマーク、そして、リズムよく次のセットが岡野の前に入ってきた、グーフィーの綺麗にシェイプされたいい波、この波にテイクオフした岡野はバックハンドでゆっくりボトムを使ったターンからフェイスをぬける、しかし、ブレイクが速くインサイドまでメイクすることは出来なかった3.0pt、しかし、ベスト2合計6.5ptとしこの地点で1位に躍り出た。
時間は10分を経過したころ今度は田村がライトのいい波をキャッチ、しっかりとレールを使ったターンでスピードにのせ軽快にメイクして魅せた4.0pt、ベスト2合計8.5pt、またもや田村が逆転、しかし、神様は岡野を見放さなかった。岡野の前に最高のセットが入った。メイクすれば再逆転も可能な波、彼女はテイクオフからターンで速めのミドルセクションをぬけ果敢にリップへ攻める、しかし、惜しくもワイプアウト、2.25ptに留まってしまった。神様の贈り物をありがたく受け取ることが出来なかった岡野に対し、次は田村に最高の波が贈られた、この波を田村は軽快にターン&リップでインサイドのローラーコースターまでまとめて魅せた、このヒート最高ポイント6.0ptをマーク、勝利を決定付けた瞬間だった。そしてヒート終了、田村が2連覇、岡野はあと一歩のところで勝利を逃し2位、終了間際にバックサイドでいい動きを魅せた辻尾が3位、波に見放された松尾は4位、という結果となった。
あと一歩のところで優勝を逃した岡野 尚子 柔らかなバランスでジャッジを驚かせた新星、辻尾友香里

柔軟性とパワーを上手くまとめて優勝を手にした田村幸子

今年も2週にわたって開催された大阪支部予選大会、ここ数年、伊勢とイクミの2週にわたる形式をとっているが、これは出来る限り参加選手のために
波の状況に応じてヒート時間を延ばしたり、ヒート組みを出来るだけ5人以上にならないように考慮して進行されているので、
現在のエントリー数を消化するにはどうしてもこれだけの時間がかかってしまいます。
運営スタッフやジャッジとして参加していただいている各ショップ代表の方々には大変感謝しております。ありがとうございました。
今後もご理解・ご協力の程、よろしくお願い致します。
今後も大阪支部では地元住民の方々やローカルサーファーの方々・参加選手・応援の皆さん・ジャッジ&運営スタッフ・協力協賛各社様などなど
サーフィンに関連するすべての方々との共存共栄を目的として頑張ってまいります。
ご意見・ご希望などございましたら、お気軽に各ショップ代表の方々か大阪支部へお伝え下さい。
よろしくお願い致します。